かじようこ日記


鍜地陽子
by cielo-azul-yoko
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カンテを歌うにはの話

今日はカンテについて書こうと思います。
日本でカンテを習ってらっしゃる方にも是非読んで頂きたいです。


フラメンコの中で、カンテは一番重要で特別なものです。
よく、スペイン人アーティストが
「自分はカンテが大好きだけど、声を持ってないから踊り手になった」
などと言う事もよく聞きます。


踊り手も歌を知らないと、そして聴けないと踊れない。


私はフラメンコを始めた当初から、
当時としては珍しく習った先生がレッスン中も歌って下さる方でしたし、
大学のサークルも自分達で歌えるように
あれやこれやと自分達で調べたり
習いに行ったりしていました。

もちろんインターネットも一般的ではなく、
YouTubeも無かった時代です。

私は元々歌う事が大好きだったのもあり、
今は亡き大木ユリさんのカンテクラスに行ったり、
スペイン人のクルシージョ(ワークショップ)に足繁く通ったりしていました。

何が言いたいかと言うと、
私は踊り手ですが、
カンテが好きだ、歌を踊りたい、それだけで
かれこれ20年以上もカンテを習って来ているのです。
私は自分が一つもレトラ(歌詞)を知らないパロ(曲)は振り付けません。
クラスでは必ず歌います。


でも私は歌い手ではありません。


もちろん、頼まれて(人がいなくて)歌い手として出た事もありますし、
踊る為のカンテクラスは開講していますが、
歌い手としてではありません。



そんな私が最近思う事があります。



最近、歌を習ってらっしゃる方は
下積みも何も無く、
すぐ歌をお仕事にされようとしてる気がします。
アルテやアフィシオンの話は無く、「フラメンコのお仕事でお金を稼ぐ」話です。
(実際私も何年か前に不躾な営業メールを頂いたりした事があります)


日本では歌い手が圧倒的に少ない為、
お仕事にしようと思えば
すぐ出来てしまう環境もあるかと思います。


ですが反面、歌で身を立てたいと言う人からみればハッキリ言ってチョロイ業界なのでしょう。
直ぐに仕事になる、踊り手からはちやほやされる。



しかし、フラメンコでは「カンテ」が大事なのであって、
本来は「カンタオール、カンタオーラ(歌い手)である事」が大事なのでは無いのです。



もちろん、たくさんのアフィシオンと敬意を持ち、
スペイン語も堪能で、
たくさんの勉強をされている
日本人の歌い手の方もいらっしゃいます。


ですが、カンテが好きで、カンテを踊りたいと思っている踊り手として
あえて言わせて頂きたい。
カンテを歌うにはカンテへの愛と
膨大な勉強の時間が必要です。



「ちょっと歌えるようになったから」

「これならお金を稼げるから」

と考える前にもっと謙虚に勉強してください。
プロになりたいのであれば、
あなたの前にそびえ立つ、大きな山、
カンテへの道のりを一歩一歩歩く覚悟でお願いします。



カンテは言葉です。
スペインで話される訛り、イントネーション、
言葉の使い方は無関係ではありません。
(ロマ語など今は口語では使われない言葉もありますが)

以前、アントニオ•ビジャールのクルシージョに行った時に、
参加者が一人ずつ自分の得意なパロを歌えと言って歌わされました。
どんなに下手でも、コンパス外しても、音程が取れなくても
「ダイジョーブ(これは本当は大丈夫って意味じゃないんですが)」
と言っていた彼が、
唯一「それは無い!」と注意したのが
「歌詞の間違い」です。
意味を知らないで歌う事など、あり得ない話なのです。
今日歌を習った、マリ•ペーニャも言っていました。
「スペイン語を理解していない歌い手がお金を貰って仕事をするなんてあり得ない」と。


ではどうしなくてはいけないのか。


フラメンコの歌を歌うには

スペイン語の習得が必要不可欠です。
しかも「生きたスペイン語」が。

そこに付随する発声、発音も
カンテには大きく関わってきます。


「スペイン語はローマ字表記なので日本人に取っては発音しやすい」と言われていて、
確かにある側面はそうなのですが、
RとLの区別はやはり日本人には難しいし、
一番の違いは
日本語は「50音で構成され」
スペイン語は「母音と子音で構成されて」
いるのです。
「Triana」は本当は「トリアナ」と言う発音では無いのです。

もちろん、最初はカタカナで読むのも仕方ないと思います。
踊り手がちょっと歌を知りたいって言う場合もそれでも良いと思います。
でも少なくともお仕事で歌おうと言う方は、
スペイン語の習得は必須です。


もちろんそれだけではなく、
カンテには
歌の発声、発音、音程
そしてもちろんコンパスが必要です。


そして「生きているカンテ」を聞く事が必要です。
もちろん、音源で古いカンテを聴くのも大事ですが、
その瞬間、一緒の空間にいる空気の中でしか感じられない事もあります。
是非スペインに行って聴いて来て下さい。
ウトレラのカンテが好き
ならウトレラに行って。
ヘレスのカンテが好きならヘレスに行って。
それが無理でも、今は素晴らしいスペイン人カンタオールがたくさん来日する時代です。
彼らから昔のアルティスタの話を聴く事は宝物のようなものです。


最後に。
カンテに興味を持たれた方々が
異国の文化である事フラメンコを、
愛と敬意を持って歌い続けて欲しいと
願って止みません。
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by cielo-azul-yoko | 2014-05-05 22:05

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